さて、昨日の投稿記事でアレクシ・ド・トクヴィルとユヴァル・ノア・ハラリとの著述の仕方に類似するとして宮崎市定を挙げましたが、その後、それ以外に「銃・病原菌・鉄」上下巻の著者であるジャレド・ダイアモンドの文章とも通じるものがあることが思い出されました・・。
「銃・病原菌・鉄」上下巻が我が国で刊行されたのは20年以上前であり、私は和歌山市在住期間に読んだ記憶があります。そして、その後、2016年、世界規模でのベストセラーとしてハラリによる「サピエンス全史」上下巻が広く書店に並ぶようになりましたが、いくつかの書店での陳列で、「サピエンス全史」の隣やごく近くに「銃・病原菌・鉄」が関連著作のように並んでいるのを見たことを記憶しています。
あるいは、そのような配置を採る書店は現在もあると思われます。そして、その理由を考えてみますと、両著共に「ある程度大きな視座から眺めた、さまざまな歴史の推移を述べて、それらから考えられる知見や見解などを述べる」といったところにあると云えます。
私見としては、そうした著述・書きぶりにて歴史を扱った著作は、興味深いものであり、さらにまた、そうした書きぶりでの歴史の著作は、比較的読み易いものになると思われます。また、そうした著作の代表的なものとしてフレイザーによる「金枝篇」が挙げられると考えます。
こちらの著作は、記載内容の真偽などをあまり考慮せずに読み進めますと、大変に興味深いものであり、これまで知ることがなかった、かつての人類のさまざまな様相が浮かんでくるのですが、こうした、いわば帰納法的な記述(具体例の羅列)の著作(特に大著)とは、比較的容易に我々をこれまで知らなかった世界に誘うことが出来るようで、あるいは先述の「銃・病原菌・鉄」や「サピエンス全史」が世界規模でのベストセラーになった理由は、このようなところにもあるのではないかと思われるのです。
ともあれ、そうしますと、昨日の投稿記事で述べた宮崎市定の諸著作もまた、ハラリによる「サピエンス全史」が発売する際に関連著作として近隣に配置することも適切であったと思われるのですが、そうした書籍の配置を採る書店は2016年当時なかったと思われます。
そしてまた、その後もハラリによる新著が定期的に刊行されましたが、それぞれの発売の際においても、宮崎市定の著作が関連著作といった扱いで、近隣に置かれていたことはなかったと思われますので、今後の世界情勢を検討するためにも「ある程度大きな歴史の動き」を扱った著作が読まれる世界的気運・傾向があるなか、我が国では、宮崎市定などの研究者がもう少し取りあげられ、そして、より多くの興味を持つ方々に読まれたら良いと思われました。
ともあれ、今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます!
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