2024年5月17日金曜日

20240516 株式会社筑摩書房刊 アレクシス・ド トクヴィル 著 小山 勉 訳「旧体制と大革命」pp.231-232より抜粋

株式会社筑摩書房刊 アレクシス・ド トクヴィル 著 小山 勉 訳「旧体制と大革命」pp.231-232より抜粋
ISBN-10 ‏ : ‎ 4480083960
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480083968

人間を差別し、階級の区別を強調する方法はいろいろあるが、税の不平等はその最たるものである。それはきわめて有害なうえ、階級間の乖離を生み出し、この不平等と乖離をともに、いわば治癒不能にしかねないからだ。税の不平等がもたらす結果を見れば、その理由がわかるだろう。ブルジョアと田舎貴族とが、もはや同じ税を払う義務がないとすれば、課税基準と徴税こそが、年ごとに階級の差を鮮明に浮かび上がらせることになるだろう。特権者ならだれでも、民衆と混同されないほうが実際大いに得策だと考えて、ひとり孤立するために新たな努力を惜しまない。

 公共の問題は、ほとんどが税に始まり税に終るものばかりだから、ブルジョアと田舎貴族の納税義務が平等でなければ、両階級が一緒に審議をしたり、共通の要求や意識をもつ理由はもはやない。いわば行動をともにする契機も意図もなくなったなら、両階級をわざわざ分離しておく必要もない。

 バークは、フランスの古い制度を実際よりも美しく描写してみせた。彼はそのなかで、わが国の貴族制度に好意を抱きつつ、ブルジョアたちはある官職を取得することによって容易に爵位を得ることができる、と主張している。彼には、それがイギリスの開かれたアリストクラシー(上流階級)と類似の現象と思われたようである。確かにルイ十一世は。授爵を増加した。これは、貴族の地位を低下させる措置だった。その後の歴代国王も、金を得るために惜しみなく爵位を与えた。ネッケルによれば、当時貴族の爵位を得るための官職の数は四〇〇〇にも達していた、という。これは、ヨーロッパのどの国にも見られない事態だった。バークが指摘したフランスとイギリスの類似点は、むしろ誤解に基づくものにほかならなかった。


以下Geminiによって生成された要旨になります。

税の不平等は、階級間の関係を悪化させ、階級を分断・乖離させる要因となる。

  • ブルジョアと田舎貴族が異なる税率を負担すると、課税基準と徴税が階級差を明確化し、特権階級が民衆と混同されるのを避けるようになる。
  • 公共問題は税金に関連していることが多いが、両階級の納税義務が平等でない場合、共通の利益や意識を持つことができなくなり、協力する必要性がなくなる。

バークは、フランスの貴族制度がイギリスの上流階級に似ていると誤解していた。

  • フランスでは、ルイ十一世以降の王が金儲けのために爵位を乱発し、貴族の地位を低下させた。
  • イギリスでは、ブルジョアは官職を取得することで爵位を得ることができたが、フランスとは異なり、貴族の地位を低下させるものではなかった。


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