また、気のせいであるかもしれませんが、今年に入ってから多少日照時間が長くなったようにも感じられます。
とはいえ、春になるまでは今しばらく時間が掛かるようですが、その一方で、このブログは本格的に春を迎える前に、とりあえずの目標である900記事までは到達したいと考え、さきほど新たに記事作成を開始した次第です(笑)。
さて、ハナシは変わりますが、以前専攻した歯科理工学分野の実験室には、かつて実験に使用したと思われる器具・材料が豊富にあり、院生当時はそれらを用いて様々なことを(好き勝手に)行っていた記憶があります・・。
たとえば当時試料として用いていた部分安定化ジルコニアは以前にも書いたように酸化安定状態であり、これに対し還元炎をあてることにより脱酸・還元され、金属ジルコニウムとなるのではないかと考え、バーナー(ブローパイプ)の還元炎を持続的にあてたことがありました。
これにより、たしかにジルコニア表層がわずかに金属光沢らしきものを示すようになりました。
これを師匠に報告しますと、研究者らしく多いに興味を示し、まずこの試料をいくつか複製させ、その表層を回転研磨機にて研磨し、表層の金属光沢らしきものが表層に付着したコンタミの炭化物ではないことを確認し、さらにX線解析にかけました。
すると、通常の部分安定化ジルコニアでは見受けられない金属ジルコニウムのピークが部分的ではあれ観察されたことから、還元炎の持続的な焼射により、部分的にではあるもののジルコニアは金属ジルコニウムに還元されることが分かりました。
この還元炎とは歯科鋳造において日常的に用いるバーナー(圧縮空気によるブローパイプ)にて得られたものですが、師匠はこれに飽き足らず、さらに強力なコバルトクロム合金用のバーナー(圧縮酸素を用いたブローパイプ)にて焼射し、さらには当時(2009~2010頃)歯科臨床・技工用として注目されていた複数種類のレーザー照射機を用い、さまざまな条件にてジルコニアに照射し、その形状および組成の変化の具合を観察・分析しました。
師匠によるこの一連の実験作業はれっきとした基礎研究ではありますが、一方において、その契機となったものは研究室の院生等があまり考えずにバーナーにて還元炎をジルコニアに焼射したことなのです・・(笑)。
ともあれ、その後、我々もそれら試料の観察や分析を行うこととなりましたが、おそらく優れた研究者にとっては、発見・研究の対象となるものは世の中に数多く存在し、あるいは一面において、そうした視点にて現象・事物を観察・認識することの重要さを師匠は我々に伝えたかったのかもしれません・・。
また一方において、そうした基礎研究による知見に留まらず、実際の臨床にて、どうにかそれを生かそうと考えるのもまた一つの異なった才能であるようにも思われます・・。
それ故、研究者も他の職種と同様、その才能・得意とするところはさまざまであり、それらが連携・協力することにより、何かしら新たな面白いことが創造されていくのではないかとも思われます・・。
列島各地にて近年生じた地震・大雨・水害等の大規模自然災害によって被災された諸地域の復興を祈念しています。
昨年より再び活発な噴火活動をはじめた新燃岳周辺の方々の御無事も祈念しています。
書籍の宣伝となりますが、師匠による新たな著作が医歯薬出版より刊行されましたのでご案内いたします。
御興味ございましたらどうぞよろしくお願いいたします。
著書名:『CAD/CAMマテリアル完全ガイドブック』
ISBN978-4-263-46420-5
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当著作第6章が当ブログ記事に関連があります。
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