2023年1月16日月曜日

20230115 国際的な歯科の見本市から思ったこと

我が国においても歯科用機器・材料の見本市である「デンタル・ショー」は各地にて度々開催されていますが、世界規模にて有名であるのが、ドイツのケルンにて開催される「国際デンタルショー」(IDS)とアメリカのシカゴにて開催される「ミッドウィンター・ミーティング」とされています。双方共に私はこれまで参加したことはありませんが、師匠をはじめ研究室の先輩である開業医、大学勤務の先生方は度々参加されています。そして、その土産話を夕方過ぎに診療を終えた先輩から聞くのですが「日本のそれ(デンタルショー)とは桁が違うよ!」というのが話の基調であり、そこから、さまざまな新しい歯科用機器や材料の具体的なハナシへと移行し、それらもまた大変興味深いのですが、聞いていますと、やはり我が国の歯科用機器や材料の開発は、近年では全般的に西欧諸国、そして最近に至っては中国や韓国に対しても後れを取っているようであり、それは私が歯系大学院生であった頃と比較しても、さらに進行しているように思われます・・。

私が歯系院生であった頃(2009~2013)は、中国製の歯科用セラミックス・ブロックは品質にブレがあり、補綴装置に加工された場合、機械的強度などが問題となり、口腔内で用いる材料として適切であるか疑問視されていましたが、現在においては明らかに品質は向上して、そして市場でも広く流通しているとのことです。そしてこれは、分析機器を用いた実験から明らかになった事実であり、その意味からも、著名な経済学や社会学の研究者の先生方が度々指摘するように、我が国の平成時代は「足踏み」をしていたと云えるのではないかと思われるのです・・。

また、さらにこの題材にて遡りますと、2003年、南紀白浜のホテルにフロント係として勤務していた頃、同僚から「このサイトが最高に面白い!」といわれ、夜勤の休憩時にバックヤードのPCで見たのが中国の開発したロボットである「先行者」について書かれたブログでした。そういえば、このサイトは私が初めてまともに読んだブログであったのかもしれません・・。ともかく、それは、あまり精巧とは云えない造りの中国製ロボットをイジる内容のものでしたが、たとえ当時であっても、私は素直にそれを笑う(嗤う)ことは出来ませんでした。しかし、その後の経験も加味してみますと、我々日本人は、情感が繊細であるためなのか、こういった遠回しな、悪意のあるイジりを、ことのほか好んでいるようにも見受けられます。

ともあれ、その頃から20年程経った現在から考えてみますと、少なくとも歯科用セラミックスに関しては「その間の中国の工業力の進化は目覚ましいものがあった」と考えるのが妥当であると思われます。

私としても今後、出来れば「国際デンタルショー」(IDS)や「ミッドウィンター・ミーティング」のような最先端の技術の粋を集めた見本市に参加して、自分なりに実地で見聞して確かめたいと思いますが、師匠や先輩の先生方から云わせると

「いや、あれに参加するのは決して観光ではないのだ。あの見本市で見た材料や機械の中から、今後の世界標準になるものが出て来るのだ。だから「これはスゴイ」と思った技術や材料の会社のブースには積極的に話し掛けて情報を引き出すのだ。それに、彼等も出展している企業だけに、話し掛けると色々と鷹揚に答えてくれるのだ。それで実験の試料として材料を頂けることもあるから、あそこで拾ったさまざまなネタは、その後の実験や講義や講演などのネタになるから、まあ、あれは半分以上は仕事で行っている感じだな・・。」

となります。また、そう考えますと、私はそこまで実務的な意味合いを、これらの見本市に見出すことは出来ません・・。しかし、ここ最近、コロナ禍ということもあり、長らく遠出をせずに、さらに外国に行き度肝を抜かれることもなかったため、これはまさに今後の私のブログや連携するSNSのためにも出来れば行った方が良いのではないかと思われるのです・・。

今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
一般社団法人大学支援機構


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