B「ええ、こちらは相変わらず色々と動いておりますが、まだこれといったお知らせできるようなことはありません。
また、何かありましたらお知らせします。
それはそうと昨日は桃の節句でした。
私は御存知の通り男三人兄弟の真中ですので、これまで桃の節句にはとんと縁がなかったのですが、つい最近、姪が生まれましたので、このことに関しては多少状況が変わったようです・・(笑)。
また、それと同時に桃の節句の3月3日といえば、どうも似つかわしくないかもしれませんが「桜田門外の変」の日でもありますね。
A「・・はあ、Bさんに姪ができたのですか、それはおめでたいですね。
また「桜田門外の変」に関しては、昨今の状況から色々と評価が分かれるのではないかと思います。
また、この事件は数年前にもたしか映画化されていませんでしたか?
あとは司馬遼太郎の「幕末」という題名の短編集にて唯一の薩摩藩出身の事件参加者である有村治佐衛門のことを扱った作品があったと思います。
加えて、手塚治虫の長編マンガ「陽だまりの樹」にも、この有村治佐衛門が出ていたと思います・・。」
B「ああ、それらに関しては私も大体知っていると思います。
たしか司馬遼太郎著の短編集「幕末」は、主に幕末期に行われた様々な暗殺を題材にしていたと思います。
そして「桜田門外の変」以外においては、土佐藩参政であった吉田東洋の暗殺を描いた「土佐の夜雨」また、出羽出身の浪士で当時のフィクサーともいえる存在であり、剣の使い手でもあった清河八郎の暗殺を描いた「奇妙なり八郎」なども収録されていたのではないかと思います。
ちなみにこの「奇妙なり八郎」の暗殺場面は、萩原健一が見廻組隊士(与頭)佐々木只三郎を演じた映画「竜馬を斬った男」の冒頭近くにありましたが、あれはなかなか真に迫っていて怖かったです・・。
とはいえ、この「竜馬を斬った男」に代表されるような当時(20世紀末)の時代ものの映画とは、現在のそれに比べてどうも隔世の感があります・・(笑)。
私個人としては、かつての時代ものの映画の方が何もかもが重厚な感じがするのですが、一体何が違うのでしょうかね・・?」
A「うーん、たしかに昔の時代ものの映画の方が、映し出されている風景、光景などが、その舞台となった時代に入り込み易いような感じはありますね・・。
また、さきほどの吉田東洋暗殺に関してはアニメ化されたマンガ「おーい竜馬」においても描かれていたと思いますが、あのマンガでは多少脚色が加えられていたと思います・・。
そして、史実の方はおそらく「土佐の夜雨」に描かれているのに近いのではないでしょうか?
また、そのことは田中顕助(光顕)の「維新風雲回顧録」にも書かれていたと思いますが・・。
その中で吉田東洋暗殺を行ったのは、さきほどの田中光顕(顕助)の叔父である那須信吾に加え、安岡嘉助、大石団蔵の三人の土佐郷士と書かれていますが、このうち那須信吾、安岡嘉助は後に土佐勤皇党の盟友である吉村寅太郎等と1863年(文久三年)に天誅組の変を起こし、代官所、高取藩の城などを攻めましたが、幕府側により鎮圧され、その折に戦死、あるいはその後に獄死しました・・。」
B「ええ、田中光顕の「維新風雲回顧録」はたしか巻頭言を司馬遼太郎が書いていたのではないかと思います。
また、私もこの著作は以前読みました。
そして、そこでは書かれていなかったと思うのですが、この那須信吾、安岡嘉助以外の大石団蔵は後に薩摩藩士となり、イギリス留学をして維新後まで生き長らえました。
薩摩藩士となった大石団蔵は、名前を高見弥一と改め、その名前により現在鹿児島中央駅前広場の市電乗り場近くにある「若き薩摩の群像」という幕末期の薩摩藩からイギリスへの留学生達をモデルとした銅像の傍らにその写真が掲示されております。
どうやら薩摩藩出身ではないことから高見弥一こと大石団蔵は銅像のモデルにはならなかったようです・・。
また、この中の一人は最近テレビドラマで有名になりました五代友厚もいます。
加えて、この薩摩藩からの留学生達は映画「長州ファイブ」の中においても出てきておりますので、その中の一人が高見弥一こと大石団蔵であることは、何だか面白いですね・・。」
A「はあ、それは知りませんでした・・。
吉田東洋暗殺の三人のうちの一人は随分と数奇な人生を歩んだのですね・・。
「事実は小説よりも奇なり」を地で行くようなハナシですね。
また維新後の彼は一体どのような人生を歩んだのかは多少興味がありますが、
もしかしたら西南戦争では西郷側で戦ったのではないですか?」
B「いえ、そこまではわかりませんが、ただ彼は維新後にかつて属していた土佐勤皇党の同志、盟友達とは連絡を取り、会わなかったのでしょうか・・?
こういったことは、もしかすると誰かが既に研究されているかもしれませんが、ともあれ、何かしらむつかしい事情もまたあったのではないかとも思います・・。」
一連の私のブログ記事を興味を持ち読んでくださっている方々、どうもありがとうございます。
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