「翌朝は昨晩目覚ましをセットした時刻に起床し、身支度を整えて、朝8:00にはホテルをチェック・アウトした。このまま現地に向かえば、おそらく8:30頃には到着するが、現地での集合時刻は9:30であることから、かなり時間が余ることが予想された。そこで昨日見つけた大学近くのファーストフード店で少し待てば良いと考え、そのまま大学に向かった。案の定、現地には8:20過ぎには到着し、大学の様子を覗うと、編入試験の案内看板は掲げられていたものの、それらしき人の気配は見受けられなかった。
そこで試験会場入りは今少し早いと判断し、さきのファーストフード店に入った。店内は混雑とまでは云わないが、大学生と思しき若い客が大半であり、活気があった。また、元来私はファーストフードであるならば、立ち食い蕎麦を好むものの、この時は何故だか、こちらの方が都合が良いと思った。そこで、ホットコーヒーが含まれる定番朝食プレートを注文し、出来るだけ大学が見える側の席に座った。時刻は8:30少し前であった。
周りの客は、やはり地元の大学生らしく見え、何か計算式が書かれたノートと書籍とを見比べながら、さらにノートへ書き記しているような方もいれば、元気な声で周囲と会話している方もいた。おそらく、彼等は皆、近くのK大学の学生さんであったと思われる。
私の方も、そうした若者らしい活気に期せずして遭遇し、それに反応するような形で、昨日の英論文を取り出し、読み始めてみたものの、内心が緊張しているのか、その内容は殆ど頭に入ってこなかった・・。とはいえ、時間は割に早く過ぎてすぐに9:10頃になっていた。また、大学の方で人の動きがチラホラと見えるようになってきたことから「これならもう大丈夫だろう。」手と顔を洗い準備を整え、店を出た。
大学正門前に着くと、腕章を着けた大学スタッフが案内係として立っており、私の様子を認めると「本日の編入試験の方ですか?」と尋ねてきたため「はい、そうです。本日9:30に集合との通知を受けていました。」と返答し、受験票など関係書類一式が入ったクリアファイルをスタッフに示した。すると、それを見て「ああ、**さんですね。受験生の皆さんは一先ず、K101講義室で受験番号が書かれた席で待機して頂き、そこで筆記試験を受けて、午後は面接試験をそれぞれの学科毎に行いますので、またK101号室の自分の席で待機していてください。」といった指示を受けた。
K101号講義室は割合広く、おそらく、最も人数が多い看護学科の一学年全体が入ることを想定した造りであったと思われる。私が入った時、講義室で既に待機していた方々は20名程いて、概ね私同様スーツを着用していたが、中には私服の方も2~3名程いたと記憶している。編入試験は9:30から様々な事前説明を受け、その後、10:00から筆記試験(英語・小論文)が行われ、昼に休憩を少し挟んで面接そして、口腔保健工学科については実技試験があり、待ち時間なども含めると、大体15:00頃には終わるとのことであった。
筆記試験については、あらためて思い出してみると、英語に関しては、全体的にはイマイチよくわからない内容であったものの、出題部位については、そこまで大きな間違いはなく、それなりに訳すことが出来たように記憶している。少なくとも、使い慣れた重い辞書をわざわざ持参してきた甲斐はあったように思われた。小論文は、こうした大学らしい出題であり、その題名は「今後の医療と介護のあるべき姿について論じよ。」であったが、これは先生からの耳学問が役に立ち、まあ、専門違いの人文社会科学系の院生が書いたものとすれば、マシな出来であったのではないかと思われる・・。
ともあれ、正午に筆記試験を終え、緊張のため昼食を食べずK101号室の自分の受験番号が貼られた席に座っていると、そこでようやく周囲の様子が掴めてきた。この講義室にいる方々は全学科の編入試験受験者であり、また、その大半は看護学科の志願者であるように思われ、受験者の7~8割は女性であった。
私が受験する口腔保健工学科はどうであろうと、周囲を少し見まわして考えてみたものの、それらしき人を見つけることは出来なかった・・。また、午後は13:00過ぎに面接が始まるとのことであり、私はおそらく14:00くらいからだろうと予想していたが、それぞれの学科毎に面接が始まる13:00過ぎ、一番初めに「口腔保健工学科、受験番号**の方、面接会場に案内します。荷物を持ってこちらに来てください。」との呼び出しを受け、私は少し緊張しつつ、荷物を持ち講義室を出て、大学スタッフの後をついて行った。
案内された講義室は、外から見たところ、さきほどのK101号室の半分程度の広さであり、そこから、この教室は口腔系学科の共通教室であろうと思われたが、すぐにスタッフの方から講義室前廊下に置いてある椅子に座るよう促され、そこでしばし待った。面接を行う講義室の中から何人かの声が聞こえてきたが、その話している内容までは理解することが出来なかった。やがて、講義室の方から「では、**番の方お入りください。」との声がはっきり聞こえたため、私はに荷物を椅子の横に置いて立ち上がり「はい、失礼します。」と緊張しつつも出来るだけ元気な声を出して講義室のスライドドアに手を掛け、入室した。
案の定、この講義室は、さきほどのK101号室の半分程度の広さであり、普段使っている机・椅子は端に片付けられていたが、そのうち3つが私の前に並び、それぞれに面接者が座り、こちらを見ていた。さて、そこで面白いと思ったことは、彼等全員が白衣を着ていることであり、私はこれまで、こうした面接の場に立ったことがなかったため、そうした光景が著しく新鮮であったのだと思う・・。
*今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます!
祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
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