この「緊張」とは、どうも楽天的になれる要素が見当たらず、他方でまた、改良すべき問題点などが明確に分かっていない、いわば、どうにもならない時によく生じるものと思われます。そしてまた、そうした状態において、党派的な競争心がぶつかり合うと、その社会において競争的退行が始まってしまうのではないかとも思われます。
つまり、現在、我々の周囲のいくつかの状況は、我々に緊張を強いるものではあると云えますが、その緊張によるストレスから、何らかの攻撃性を外に向け、そしてまた、そうした動きが社会全体にて広がりますと、その社会自体が、いずれ、良からぬ方向に行ってしまうのではないかと思われるのです・・。
それ故、この緊張を強いられる状況を、どのように理解、解釈すれば良いのかと考えてみますと、そこで一つ有効であると思われたことは、そうした状況の中にある、自分が何らかの興味・関心を持ち得る要素を見出し、それについて、自分なりに調べてみることにより、おそらく、さきの緊張をいくらか和らげる効果があるのではないかと思われました。
つまり、この緊張をもたらす原因に対して能動的にのぞむことが効果的であると思われるのですが、この「能動的にのぞむ」ということが、まさに人によって得手不得手があり、たとえば、運動がある程度得意であると自らで認識していなければ、それ(運動)に対して能動的にのぞむことは困難であるように、自らの状況を構成するものの検討から、それに基づいた経緯のより大きな物語の作成なども、そうしたことにある程度慣れている専門の方々に委ねる方が良いのでしょうが、しかし、そこで重要であると思われることは、そうした専門の方々の意見を、自分なりに理解、解釈することであると思われます。
それを換言しますと、専門家の見解を自らの価値基準と併せて自分のコトバで説明できることが大事であると思われるということですが、そうした自分のコトバも、まさに議論などを通じて、徐々に培っていくものだと思われますが、かねてよりのコロナ禍もあってか、そうした「場」自体もヴァーチャルなものとしようとすることは、今のところ、何か間違っているように思われるのですが、さて如何でしょうか?
今回もまた、ここまで興味を持って読んで頂き、どうもありがとうございます。
順天堂大学保健医療学部
祝新版発行決定!
ISBN978-4-263-46420-5
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