2019年12月31日火曜日

20191230 最近の読書から思ったこと「共通化」出来るものについて(源・紀州人のハビトゥス?)

直近の記事投稿から、しばらく日が経ち、新規の記事作成をしようと、ここ数日考えていましたが、年末の帰省などの慌ただしさから、記事の更新を行うことが出来ていませんでした・・(苦笑)。

今回の帰省は夜行バスを利用させて頂き、その車中では、以前に購入した岩波書店刊 加藤 周一著「羊の歌」を主に読んでいました。この著作は以前、鹿児島在住時に既に読んでいましたが、今回の読書においてはまた新たに考えさせられる記述にいくつか出会いました。

くわえて、先日来から読み進めている岩波書店刊 岡 義武著「明治政治史」下巻は、余すところ百頁以下となり年内での読了は叶わないかもしれませんが、今回の帰省荷物の比較的取り出し易いところに収納・持参し、当記事の作成・投稿後、さらに読み進めていきたいと考えています。

また、こうした経緯から想像されるように、今回の帰省においても、移動途中に大型書店に足を運び、しばし書棚を徘徊し、立ち読みをしていましたが、面白いことに、そうした中で度々、面白い著作を見つけたり、あるいは、新たな考え・発想といったものが惹起されることがありました。

それらの中で、ブログ記事としていくらか面白そうであると思われたことは、①:これまでにも当ブログにて扱ったジョゼフ・コンラッド著「闇の奥」の一つテーマであると云える「居住する地域・場所の変化から生じる同一個人が持つ考え・思想の(無自覚的なそして否応のない)変化」と、②:これまた当ブログにて扱った、五世紀後半のヤマト朝廷の朝鮮半島における軍事行動に従事し、さらに朝廷の派遣軍指揮官の任から逸脱し、一時は自ら三韓の王となることをも欲したとされる紀伊国豪族である紀 大磐と、③:そして幕末・明治期に、さまざまな立場にて軍事行動・謀略等の実施にあたり、辛亥革命時には清国に渡り、当地にて客死を遂げた紀州藩を出自とする岡本 柳之助の間にあるボンヤリとした類似性です・・。

これら①~③の間に通底する「何か」があるのか、科学的に実証することは困難であるとは思われます。しかしながら、②および③については、あくまでも私見による歴史的見地となりますが、千年以上の時間的隔たりがありながらも、そこには、地域の方々が共通して持つ、何らかの「思想の基ともなる内面における(精神的)構え(ハビトゥス)」といったものがあるように思われるのです・・。

あるいはそれは、同地に出自を持つ幕末期の志士・明治期の閣僚であった陸奥 宗光にも共通するものであるとも思われます。

とはいえ、この「何か」に対して言語化を試みることは、それだけで何と云いますか、誤解とも評し得る「安易な理解」といったものが生じる可能性もあると思われることから、あるいは差し控えた方が良いのかもしれませんが、他方で、何かしらの仮設を組立てる際の基礎となるような概念を言語化することも同時に重要であると思われることから、ここにその「何か」の言語にて表しますと、それは「越境・逸脱・反抗」といった要素に、ある程度集約出来るのではないかと思われます・・。

こうした、いくつかの要素に共通するものを集約化・抽象化することは、あまり意識して行うことはありませんが、書籍をいくらか読み、そしてしばらく期間を置きますと、それらが精神にて血肉化(インカーネーション)され、そこから、こうした発想が生ずるのではないかと思われます・・。

そして、こうした行為(血肉化(インカーネーション))こそが、実のところ極めて重要であり、さらに、そこを基点として、さらなる「越境・逸脱・反抗」を自然に、能動的に行う過程にこそ、おそらく、(現在の)人工知能では為し得ない、進化・発展の予知出来ない仕組みといったものがあるようにも思われるのですが、さて、如何でしょうか?

今回もまた、ここまで読んで頂きどうもありがとうございます。


日本赤十字看護大学 さいたま看護学部 2020年4月開設


日本福祉大学
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