B「ええ、それが特に専門というわけではありませんが、そうしたフィールド・ワーク的な手法は以前、身近に人文社会科学系の研究者の方々がおり、その方々とのやり取りで勘所のようなものはある程度掴んだと思いますし、また一応私も修士の学位は経済学ではありますが、より精確に云いますと、地域学、まあ民俗学のようなものですので、そこまで荒唐無稽ではないように思われます。ともあれ、そうした視座から眺めてみますと、やはり同程度の期間での地域毎の変容の仕方はかなり違っているように思われます・・。」
A「・・やはりそうですか、そのように考えてみますと、ある程度近くに大都市があるというのも良し悪しかもしれませんね・・。先日のBさんのブログに書かれてたように、半ば必然的にそちらの方にヒト、カネ、モノな吸寄せられていってしまいますからね・・。まあ、その意味では鹿児島のような九州南端の都市は、他の大都市に近い地域に比べれば、独自色を出し易い環境ではあるのかもしれませんね。」
B「ええ、たしかにそうかもしれませんね。それでも鹿児島の場合、北隣の熊本もそれなりに大きい地方都市であり、この二つの都市は、そうですね、多分、律令制度以前より似たところもありながらの因縁めいたライバル関係のようなところがあり、まあ、私が知る限りでは国内には類例がないように思われます・・。別の言い方をしますと、この二つの地域は、古来よりライバル関係にあったからこそ、それぞれ独特の地域性・特性を育み、現在においても九州圏内に留まらない独特の文化あるいは何らかの情報を発信し続けることにより、全国規模で、ある程度の求心力を保持しているのではないかと思います。」
A「はあ、なるほど、たしかに昔から肥後と薩摩はライバル関係であり、肥後は朝廷・官側の前線基地であり、他方の薩摩は、それこそ律令制以前からの朝廷・官側に対して反乱を起こしていましたからね・・。そして、そうした地域におけるライバル関係のようなものが近現代では旧制高等学校ナンバースクールの設置にも影響していたのかもしれませんね(笑)。」
B「・・ああ、なるほど、云われてみれば、たしかにそうであるかもしれませんね・・。また、そのように考えてみますと、やはり先日のブログ記事にて述べた地域の高等教育機関は、その地域の地域性・特性などに対して重要な役割があるのでしょうね・・。」
A「ええ、おそらく、そうだと思います。カネやモノもたしかに大事であるかもしれませんが、それを稼ぎ、消費し、その仕組み、つまり社会を駆動させる前段階のヒトが集まるところですからね。」
B「・・そのように考えてみますと、先日のブログにて述べた和歌山市での新たな看護学部の設置も少なからず意義のあることであり、また、現在決して状況が良いとは云えない徳島県が今後、この地域が阿波と呼ばれていた頃の活気を取り戻すためには、地元の何らかの組織と全国規模のそれが協力し、新たな高等教育機関をいくつか設置するのが良いのではないかと思われ、また、そこでさらに以前の記事にて述べた徳島の地域性・特性をも加味して医療介護系の大学が良いのではないかと思われるのですが・・。」
A「はあ・・若い人達を県内に呼び込むためにはたしかに大学の設置は効果的であろうし、またそれが、これまでの地域性の延長線上にあるとも云える医療介護系であれば良いのではないかということですか・・それは具体的には国内にいくつか存在する日本赤十字の看護大学のようなものですか?」
B「ええ、日本赤十字の看護大学でしたら、とても良いと思いますね。この大学はたしか現在では北海道、秋田、東京、豊田、広島、福岡の六つがありまして、近年中に首都圏にもう一つ新設するといった情報を以前聞きましたが、四国には未だ赤十字看護大学がありませんので、もしも設置を考えて頂けるのでしたら、かねてより医療系と親和性がある地域性と云える徳島にして頂ければ、少なくとも学生さんの学ぶ環境としては決して悪くはないように思われるのですが・・。まあ、それでもそれは必ずしも日本赤十字看護大学ではなくとも、たとえば首都圏の看護学部を擁する大学が新たな看護学部の設立を考えている場合においても同様ではありますが・・。」
A「なるほど、しかし、そのように考えてみますと、それは何も看護学部に限定しなくとも、他の医療介護系でも良いのではないでしょうか?たとえば、それこそ歯科衛生学科などを東京都内にある大学が新たに設置しようと試みていても近年の規制により、大学母体の立地地域での設立が困難となっていることもあるでしょうから、そうした大学と地域自治体や大学が連携し、何と云いますか公設民営のようなカタチで大学を新たに設立しましたら、それはそれで新しく、また入学される学生さんもその後の就職にも繋がるのでしょうから良いのではないですか?」
B「ああ、そうですね。たしかにこれは何も看護学部にしぼる必要性はありませんでした・・(笑)。」
今回もまた、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5
医歯薬出版株式会社刊
~勉強会の御案内~
~勉強会・特別講義 問合せ 連絡先メールアドレス~
~勉強会の御案内~
前掲書籍の主著者である師匠による歯科材料全般、いくつかの歯科材料を題材とした勉強会・講演会の開催を検討されておりましたら、よろこんでご相談承ります。師匠はこれまで長年、大学歯学部・歯科衛生・歯科技工専門学校にて教鞭を執られた経験から、さまざまなご要望に対応させて頂くことが可能です。
*上記以外、他分野での研究室・法人・院内等の勉強会・特別講義のご相談も承ります。
conrad19762013@gmail.com
どうぞよろしくお願いいたします!
数年前より現在までに日本列島各地・特に西日本にて発生した、さまざまな大規模自然災害によって被害を蒙った地域の速やかな復旧そして復興を祈念しています。
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