2019年1月27日日曜日

20190127 P・F・ドラッカー著 小林 宏治監訳 上田 惇生・佐々木実智雄訳 ダイヤモンド社刊『イノベーションと企業家精神』pp.26-27より抜粋引用

P・F・ドラッカー著 小林 宏治監訳 上田 惇生・佐々木実智雄訳 ダイヤモンド社刊『イノベーションと企業家精神』pp.26-27より抜粋引用
ISBN-10: 4478370176
ISBN-13: 978-4478370179

『経営管理という名の社会学の技術が、経営管理者をはじめとする一般社会にはじめて提示されたのは、第二次世界大戦後、すなわち今から約40年前のことである。その後、経営管理は、一部の企業による試行錯誤的な実践から、一つの体系へと急速な発展をみせた。そしてこの40年間において、経営管理は、他のいかなる技術上の革新にもおとらないだけのインパクトを社会にもたらした。第二次世界知戦後、一つの例外もなく、あらゆる先進国が組織の社会となったのは、経営管理の発展にのみ帰すべきことではないのかもしれない。それは主たる原因でさえないのかもしれない。また今日、あらゆる先進国において、きわめて多数の人たち、とくに圧倒的多数の高等教育を受けた人たちが組織のなかで働くようになり、それら組織の長でさえ、ますます多くがオーナーよりも専門家としての経営管理者になっているとうことも、経営管理の発展にのみ帰すべきことではないのかもしれない。

しかし少なくとも、経営管理が一つの体系として出現していなかったならば、今日、先進国において見られるような社会、すなわち組織社会や従業員社会というものは、実現されなかったにちがいない。
もちろん今日にいたるとも、経営管理について学ぶべきことは無数にある。とくに知識労働者の管理については、未開拓の領域が多い。しかし、とにかく経営管理の基本は、すでにかなり明らかにされるにいたっている。わずか40年前、経営管理を実際に行っている大企業の経営者でさえ、自分たちが行っているものが経営管理であることを知らなかった頃には、経営管理とは一部の人たちに限られた密教であった。それが今は、まったく一般化された知識となるに至っている。
 しかし経営管理は、ごく最近に至るまで、多かれ少なかれ、企業だけのためのものと考えられてきた。しかも、企業のなかでも、大企業だけのためのものと受け取られてきた。

1970年代の初めにいたるも、全米経営管理協会(AMA)が社長向け経営管理コースについて中小企業の社長を案内しても、返って来る返事は「うちは経営管理は必要ない。あれは大企業のためのものだから」というものであった。1970年、あるいはつい最近ともいうべき1975にいたるも、アメリカの病院の経営者は、経営管理と名のつくものすべてに対して、拒絶の反応を示していた。「われわれは病院で会って企業ではない」というのが、彼らの決まり文句であった。大学では、今日にいたるも、教授たちがかつての病院と同じことを言っている。それでいながら、大学の無管理状態を嘆いているのである。
第二次世界大戦直後から1970年に至る長い期間というもの、進歩とは組織の大規模化を意味した。

 この25年間において、企業、労組、病院、学校、その他、あらゆる分野で見られた大組織志向の風潮には無数の原因がある。しかしそのうち最も大きなものは、大企業は経営管理の対象となりうるが、中小企業は管理の対象となりえないという思い込みであったといえる。この思い込みが、たとえば、アメリカにおける巨大な総合中学のブームをもたらしたのである。「教育は専門家による管理を必要とする。しかるに、管理は大組織においてのみ可能である」と決めつけられたのである。最近の10年ないしは15年の間に、この傾向がようやく逆転しはじめた。いまや、アメリカは脱工業化ではなく、脱大組織化を始めたといってよいであろう。

*この末尾の太字部分からクラウゼヴィッツ著『戦争論』また、そこからインスパイア―されたとも云える石原莞爾による著作『最終戦争論』『戦争史大観』が思い起こされることは的外れであるのでしょうか・・?


今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。
~書籍のご案内~
ISBN978-4-263-46420-5

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