2018年6月14日木曜日

20180614 カレル・チャペック著『山椒魚戦争』読了から思ったこと

本日、電車内にて先日より読み進めていたカレル・チャペック著『山椒魚戦争』(岩波文庫版)を読了しました。

この著作は読了が少し惜しいと思われるほどに面白く、また現在のさまざまな世界情勢を考える際に参考になる著作であると云え、今後も折を見て再読してみようと思います。

また、そこから、去る2016年に発表され話題となった山椒魚と同じ両生類である蛙を主人公とした我が国周辺の国際情勢を寓話的に描いた作品が思い出されましたが、この著者は『山椒魚戦争』を一つのモデルとしたようにも思えます。

とはいえ、このことをもう少し考えてみますと、たしかに両著作共に両生類を用いて近現代の国際社会情勢を描いているのですが『山椒魚戦争』は人間対山椒魚といった構図であり、これは欧米諸国(白色人種)と、その他諸国(主に有色人種)あるいは古くから帝国主義による世界分割に参画してきた西欧列強諸国(英・仏など)と、遅まきにこの世界分割に参画してきた勢力(ドイツ・日本などの枢軸国)のアレゴリー(寓言)であると云え、著作内にこれら歴史的構図に付随するさまざまな要素がディテールとして散りばめられ物語設定が為されていると云えます。

このことを言い換えますと、実際当時の国際情勢を抽象化し、そこから抽出された要素を物語上の国際情勢にセンス良く(これが大事であると思われます。)再配置し、物語が構成されているということになります。

そして、ここまで書いていて不図思いついたことですが、こうした手法とは、あるいはパブロ・ピカソの絵画にてよく知られるキュビスムとも通底する何かしらの感覚があるようにも思われますが、さて如何でしょうか?

こうした現実世界の抽象化と、それを踏まえ、さらに物語上の世界での具象化への転化にこそ、さきに述べたようなセンスもしくはその背景となる全体の流れ・そしてディテールに対する知識・知見が示されるのではないかと思われます(活字とマンガによる知性の性質・傾向の違いはここにあらわれるのではないだろうか・・?)。

この視座から考え『山椒魚戦争』はかなり優れているのと思われました。現在未だ読み進めている洋書がありますが、もしも、この著作が英語版で比較的安価にてありましたら読んでみたいと考えています。

ちなみに、この著作の読了後に不図想起された著作が大岡昇平著『俘虜記』であったことには一体如何なる背景があるのでしょうか?

今回もここまで読んで頂き、どうもありがとうございます。

~書籍のご案内~
増刷決定!
ISBN978-4-263-46420-5
医歯薬出版株式会社

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併せて、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

数年前から現在に至るまでに列島各地において発生した大規模自然災害によって被害を被った地域のインフラの回復および、その後の復興を祈念します。